住宅購入ガイド
マイホーム選びのポイント
上手に選ぶための3つのポイント
上手にマイホームを購入するには、気をつけておきたいポイントがあります。
マイホームは人生最大の買い物のひとつであるだけに、理想だけがどんどんふくらんでしまいがち。
しかし、それでは決断ができなくなってしまうのです。そんなマイホーム選びのポイントを3つご紹介しましょう。
■ Point 1 優先順位を決めましょう。
マイホーム選びで最も大切なこと。それは、自分が欲しい家の条件を挙げ、そこに順序を付けておくことです。どんなに予算をお持ちの方でも、100%理想に合致する物件はまず見つけられないと思ったほうがいいでしょう。となれば、最も譲れない条件、つまり優先順位の高い条件をより多くクリアする物件を選んでいくことが大切になるのです。このことが理解できていなかったために、「なんとなく条件に合致しない」と、いい物件を逃してしまうこともあります。購入条件に優先順位を付けること。マイホーム選びで真っ先に取り組むべきポイントです。
■ Point 2 こんな点を必ずチェック!
では、マイホーム選びでは、どんなチェックポイントがあるのでしょうか。
マイホーム選びは、さまざまな点からチェックが必要ですが、大きく分けると「立地・環境」「建物の構造」「間取りプラン」「収納や設備」などになります。
ここでは、意外に忘れがちなこんな10のポイントを挙げておきましょう。
医療施設は近い? 付近の学校状況は?
買い物エリアは? 駐車場はどうなる?
車の通行は激しくない? 周辺の建築計画は?
風通しは大丈夫? 隣家との間隔は?
十分な収納スペースは? 持っている家具は使える?
■ Point 3 性能保証の確認を忘れずに。
2000年4月に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって、新築住宅には性能保証制度が義務化されています。住宅の基本構造に関わる部分に関しては10年保証で、引き渡し後10年以内に構造上の欠陥が見つかった場合には、無料で補修を求めたり、補修が不可能な場合には契約の解除を申し出ることができます。ただし、施工した会社が倒産しては交渉ができません。
そこでチェックしておきたいのが、住宅保証機構などの保証を受けているかどうか。万が一、業者が倒産しても、保証機構などが性能保証を引き継いでくれるからです。
住宅購入の諸費用
さまざまな諸費用について知っておきましょう。
マイホーム購入といえば、必ず誰もがチェックするのが購入価格。 ですが、実は物件の購入価格の他に、さまざまな費用が必要になってくることをご存知でしたか。 では、具体的にどんな費用がかかるのか、見ていきましょう。
全体の5%~8%の諸費用が必要です。
マイホームの購入では、購入費用や建築費用のほかに、税金や各種の手数料などが必要になってきます。しかも、その総額は、新築住宅の場合で価格の5~8%、中古住宅では6~8%といわれます。
さらに、新しい家に移転するということになれば、引越し代のほか、カーテンやエアコン、照明器具などの購入費用も必要になります。こうした諸費用をしっかり頭に入れて、購入の予算計画を立てる必要があるのです。
●主な諸費用
印紙税 売買契約書、建築請負契約書、ローン契約書に必要な印紙代
ローン保証料 保証人を立てるかわりに保証会社などを利用する場合の費用
登記手数料 登記手続きをする際の司法書士への報酬
登録免許税 登記の際にかかる税金。新築なら、固定資産税評価額の0.15%
不動産取得税 土地、建物を取得した際の地方税。固定資産税評価額の3%
融資事務手数料 金融機関への融資事務手数料。各金融機関で必要になる
火災保険料 住宅ローンのお借入れにあたり、建物にかける保険料
不動産仲介手数料 不動産仲介会社を利用する場合の手数料。価格の3%+6万円。税別
修繕積立基金 マンションなどで将来の大規模修繕などの費用の一部になる基金
水道加入金 建売住宅の購入時にかかる場合が多い費用
引越し費用 引越しの費用
その他購入費 耐久消費財購入費、生活関連用品などの購入費
購入予算と住宅ローン
マイホーム購入でまず考えなければならいないのが、購入の為の自己資金です。
どのくらい頭金を用意する必要があるのか、月々の支払はいくらくらいになるのか。何より無理のない計画を立てることが大切です。
月々の支払額は?
まずは月々の支払額から予算を決めていくのが良いでしょう。この際できるだけボーナス払いは組まないようにした方がいいかもしれません。お勤め先の内容にもよるかもしれませんが、もしボーナス払いができる余力があるのであればその分予算を上げるのではなく、繰上げ返済などのローン軽減の予定を立てていく方が良いと思われます。
●月々の支払額から見る借入額の目安
毎月の返済額 住宅ローン借入額
10万円 3,010万円
13万円 3,920万円
15万円 4,520万円
頭金は?
次に頭金ですが、一昔前は物件価格の2割以上が必要だといわれていましたが、近年は大手都市銀行も物件価格の100%+諸費用分まで対応しているところが増えています。
ご両親からの贈与など、もともと用意されている方は良いかもしれませんが、仮に4,000万円の住宅を購入するのに800万円を貯めるとなると、どのくらいの年数がかかるのか、もし賃貸住宅で毎月家賃を払っているとするとその間にいくらくらい支払うことになるのかと考えると、多くの人にとって2割という数字はあまり現実的ではないように思われます。
お気軽にご相談ください
ご年収から借入額を割り出す方法もありますが、最近は各金融機関の住宅ローン商品が非常に多様化しており、一概に「いくらでいくら借りれる」と言い切れないのが現状です。実際にご相談いただくと、思ってた以上に多く借りられるケースが多いようです。
タイミングによっては金利優遇などの各サービスが受けれることもありますので、闇雲に物件を探す前にぜひご相談下さい。
ローンの種類
住宅ローンの基本を知っておきましょう。
住宅ローンというと、専門の用語などもあり、難しいイメージをお持ちになる方も少なくないようです。しかし、基本さえ理解すれば、決して難しいものではありません。では、住宅ローンの基本を解説していくことにしましょう。
大きく分けて民間融資と公的融資があります。
長くお付き合いをすることになる住宅ローン。それだけに、住宅ローンの基本については、しっかりと理解をしておきたいもの。まず、住宅ローンは一般的に「銀行ローン」「公庫融資」「年金融資」「財形融資」などに分けられます。銀行ローンを民間融資、残りの3つは公的融資とも呼ばれます。それぞれのローンには特色がありますが、注意する必要があるのは、住宅の条件などで利用できるローンが制限される場合があることです。また、公庫などは融資額に上限があるため、資金計画では複数の住宅ローンを組み合わせるケースが一般的です。
● 民間融資
○ 銀行ローン
民間の銀行などが貸し出しをしている住宅ローンです。さまざまな種類のローンがあります。
● 公的融資
○ 公庫融資
住宅金融公庫が貸し出します。固定金利で長期返済ができるという特徴がありますが、融資に際しての細かな条件もさまざまに設けられています。
○ 年金融資
年金資金運用基金の資金を厚生年金保険の加入者に貸し出します。年金加入期間3年以上、過去2年間の保険料を完納、などの条件があります。
○ 財形融資
会社などで財形貯蓄をしている場合に借りることができます。一般財形貯蓄、財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄のいずれかを1年以上継続し、50万円以上の残高があることが条件です。
購入までのスケジュール
購入前から入居まで、一連の流れを知っておきましょう。
多くの方が初めての購入となるマイホーム。では、実際にマイホーム購入を進めていく過程は、どんな流れになるのでしょうか。購入にかかってくる費用・諸費用も照らしあわせながら、フローチャートで見てみましょう。
購入までには、さまざまな手続きが必要です。
人生で最も大きな買い物といわれるマイホーム購入。それだけに、購入までにはさまざまなステップが待っています。入居までのステップを、必要な費用と合わせて、9つに分けて解説していきましょう。
■ Step 1 購入条件の決定・整理
理想の家の条件を挙げ、優先順位を付けていきます。
■ Step 2 物件探し
優先順位をもとに、不動産業者を通じて物件を探します。
■ Step 3 物件・購入業者の決定
納得できる物件に出会えたら、物件・購入業者を決定します。
■ Step 4 売買契約
不動産業者および売り主との間で売買契約を交わします。
【 必要な費用 】
● 手付け金(売買代金の3~5%程度)
● 仲介手数料・印紙税
■ Step 5 住宅ローンの申し込み
金融機関に住宅ローンのお申し込みをします。審査があります。
■ Step 6 ローン契約
金融機関との間で、ローン契約を結びます。
【 必要な費用 】
● 保証料
● 団体信用生命保険料
● 火災保険料
● 事務手数料
■ Step 7 残金決済
購入代金の残金を支払います ( ローンの場合は金融機関が支払います )。
【 必要な費用 】
● つなぎ融資事務手数料
■ Step 8 登記
購入した物件の登記を、司法書士が行います。
【 必要な費用 】
● 登録免許税
● 登記代行手数料
■ Step 9 入居
引越し後、念願のマイホームへのご入居となります。
【 必要な費用 】
● 引越し費用
● 修繕積立基金など